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【小説感想】出版禁止 ろろるの村滞在記

出版禁止 ろろるの村滞在記(長江俊和著)という小説を読んだので感想です。

ネタバレを含みますのでご注意ください。

 

 

あらすじ

記者の男がとある事情から「すくいの村」という村に取材に行く。

「すくいの村」では、心に傷を負った人たちが再起を目指して、懸命に暮らしているようにみえた。

しかし、ネット上では「すくいの村」の怪しい噂が流れていた。

果たして、記者は「すくいの村」の真実にたどりつけるのか・・・・。

 

感想(ネタバレあり)

まずはじめにこの本は出版禁止というシリーズもののようですが、どこから読んでも問題ないという口コミを見たのでこの本から読み始めました。

 

読後感としては、んんん??と疑問符が脳裏に浮かぶような感じでした。

なぜかというと、まずこの本のはじめに「おことわり」という文章があり、「本書は呪われている」という注意書きがあったんですね。

なので私は読み終わったら呪いにかかったように感じる仕掛けがあるのかなと想像して読み始めました。(例えば脳裏で読み上げてはいけない言葉を知らぬ間に読み上げさせられるみたいな)

ただ実際にはそのような仕掛けにはなっていなかったのです。

驚くような仕掛けがあってまんまと騙されたのですが、そっちよりも「呪いにはかけられなかったな、じゃあ最初の文章はなんだったのだろう」という疑問が浮かんできたのです。

結局この疑問は今も晴れないままですが、フェイクドキュメンタリーとしてリアリティーを増すための文章だったのでしょうか。

 

勝手な想像はここまでにして、本編の感想です。

この本の肝である「逆打ち」には全く気付かなかったのですが、いくつか疑問に思うこともありました。

・序盤で出てきたミチルという名前の女性が中盤からは全くでてこなかった。

・半年前に研究者の元を訪れたのは誰なのか?

→伏線じゃなければわざわざ書く必要のない描写ですよね

・キノミヤは40代くらいのはずなのに青木朔の父親を名乗った

 

まだまだいろいろあるのでしょうが、自分として気になったのはこのあたりでした。

違和感ある中読み進めるとまさか逆になっていたとは、、、、

正直、はじめの章で100年に一度の儀式で亡くなった男性がいる、という描写があったことから記者の男は死なないだろう、それとも、100年に一度というのがウソなのか?と思っていたのでこの展開は驚きでした。

記者の男(都築)は高校生のころから目をつけられていたわけですね。

まんまと術中にはまってしまい、村に行ってしまった。。。

都築も私もまんまとハマってしまったわけですが、少しだけ救いがあるな、と思ったのは朔は本当に都築のことを思っていて葛藤していたのではと読み取れたことでした。

 

読み終わっても分からなかったのが、「ろろるの村」って何?でした。

調べてみると「ろろる」→「ロロル」→「呪」ってことなんですね。考えられてますね。

ただ、自分はあまり頭の回転早くないので全然気づけなかったですw

 

最後に、感想を書いていて思ったのですが、

この本を逆打ちで読まされているということで呪いにはかかってしまっているのかもしれませんね。

 

終わり。